京劇は、平劇、京戯などとも呼ばれ、中国で最も影響力のある戯曲で、北京を中心に全国各地に分布している。
清代の乾隆帝五十五年（1790年）から、南方で公演していた三慶、四喜、春台、和春の四大徽班が続々と北京に入り、湖北から来た漢調芸人と協力して、同時に昆曲、秦腔の一部の演目、曲調と演技方法を受け入れ、また一部の地方民間の曲調を吸収し、絶え間ない交流・融合を通じて、最終的に京劇を形成した。
京劇には文学、パフォーマンス、音楽、舞台美術などさまざまな面で規範化された芸術表現形式がある。京劇の節回しは板式変化体に属し、二黄・西皮を主な曲調とする。京劇の伴奏は文場と武場の2種類に分かれ、文場は胡弓を、武場は鼓板を主とする。京劇の役は生、旦、浄、丑、雑、武、流などの役柄に分かれ、後の3つの役柄はすでに独立していなかった。各役柄ごとに演戯の標準があり、唱（歌）・念（せりふ）・做（しぐさ）・打（立ち回り）の芸にはそれぞれ特色がある。京劇は歴史物語を主な演目として、伝統的な演目は約1300以上あり、よく演じるものは300～400以上ある。
京劇は全国に伝わり、影響は非常に広く、「国劇」と呼ばれている。梅蘭芳で命名された京劇の演戯体系は東方演劇の演戯体系の代表と見なされ、世界三大演戯体系の一つとなっている。京劇は中華民族の伝統文化の重要な表現形式であり、その中の多くの芸術的要素が中国伝統文化のシンボルマークとして用いられている。
2006年5月、京劇は国務院から第1陣国家級無形文化遺産リスト入りを許可された。［2］2010年、ユネスコ無形文化遺産リスト（名簿）人類無形文化遺産代表作リストに登録された。